2011年9月18日日曜日

【つぶつぶヒストリー4・雑穀との出会い】

そんな中で、雑穀との出会いがあったのです。

自然食品店に行くと並んでいる雑穀は最初全く目に入りませんでしたが、ある時お店の人からこれは日本伝統の穀物の仲間だということを教わりました。

おそるおそる買って帰って二人で炊いてみて、そのおいしさに驚きました。

かわいらしくて多様な色や形の個性にもびっくりしました。

どうしてこんなにおいしい食べ物を、それも、主食作物としての長い歴史を持つ雑穀を誰も彼もが忘れてしまったんだろうという疑問がわき起こりました。

それとともに、まずい貧しいと誤解されているのに実はこんなにおいしい雑穀のことを調べていけば、何か歴史のひずみを解消する力、未来を取り戻す力が生まれるのではないかと、二人で、その可能性に胸をふくらませました。

ゆみこは、食の方でデザイナーの本領を発揮しだし、雑穀を炊いてはハンバーグやドーナッツなど、現代っ子もうなるおいしい雑穀料理を次々と創作し始めました。

そして、印刷工場の2階を改装して仕事仲間たちと未来食レストラン「fu」という週末レストランまで開いてしまいました。

fu」は風で見えないけれど確かにある新しい躍動のようなものを指すシンボルとしてゆみこが会社の名前にもしていたシンボルワードです。

 毎日毎日の食事のたびに、そして週末レストランでの仲間たちとの工夫のし合いで料理のレパートリーはどんどん増えていきました。

雑穀の食材としての可能性には目を見張るばかりでした。栄養価を評価する研究成果もどんどん出始めました。

レストランはその後、「つぶつぶカフェ」と名前を変えて、現在、東京新宿区と長野駅前にあります。

この春には、「おいしいつぶつぶ」をコンセプトにした雑穀ソースがおいしいパスタレストランが、古巣の江戸川橋に開店することになっています。

  ■つづく■

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